早いものでPENTAX Q7を手に入れてからもう一ヶ月が過ぎました。
日々いろんなものを撮影していますが、ブログアップ用の写真で使うことも多い者としては、マクロ撮影(接写)にも耐えうるかどうかが気になるところ。
今回は「02 STANDARD ZOOMレンズ」で、条件を変えながら撮影してみました。
というのも、買って間もない時期に撮ったマクロ写真で、どうも気になる現象(画像がモヤっとする)に遭遇したので、それが解決できるかどうかを主に検証していきます。
記事中の使用カメラはPENTAX Q7ですが、Qマウントレンズが使えるカメラ(Q, Q10, Q-S1等)であればどれでも参考になると思います。
02 STANDARD ZOOMの最短撮影距離
まずは、02 STANDARD ZOOM(以下、02レンズ)のピントの合うギリギリの最短距離を把握。
カタログスペック上は0.3m(=30cm)とあります。
これはカメラ内部の撮影素子(CMOS)からの距離だと思われますが、コンデジ慣れしてる人間としてはレンズ面からの距離のほうがイメージが湧きやすい、ってことでレンズ面から計測。
望遠端の状態で、レンズ面から11~12cmがピントが合うギリギリの距離でした。
撮影素子との距離でも20cm足らずなので、カタログスペックよりちょっぴりお得なのは嬉しい誤算。コンデジと違って、ズーム全域で最短距離が変わらないのは、レンズ交換式カメラならではのメリットですね。
最短撮影距離で撮った写真がこちら。
望遠端15mm(35mm換算69mm相当)で撮影。
対象は、Nゲージスケールの鉄道玩具(Bトレインショーティー)。
約2cm四方の顔が、写真全体の1/6ほどの面積に収まります。
最短撮影距離1cmをうたうコンデジに比べたら物足りなさは感じるので「もっと寄りたい!」と最初は感じましたが、これくらいのサイズの物なら悪くない収まり方ですね。
参考:06 TELEPHOTO ZOOMの場合
このまま02レンズの検証に行く前に、参考として06 TELEPHOTO ZOOMレンズ(以下、06レンズ)での最短距離も見てみましょう。カタログスペック上では、1m(ズーム全域)が最短撮影距離。
実測値では、レンズ面から約70cm。
撮影素子までは約80cmといったところで、こちらもカタログ上より若干短い数字になりました。でも、こうして見るとけっこう距離ありますね。
06レンズの最短撮影距離(&望遠端)で撮った写真はこちら。
望遠端45mm(35mm換算207mm相当)で撮影。
200mm級の望遠なら被写体の大きさが稼げるかと思いきや、最短距離の長さゆえに02レンズよりも小さな範囲に収まってしまったのが残念。10cm超えの大きなフィギュア等ならありですが、数センチレベルの小さな小物を写すには06レンズだと物足りないですね。
では、02レンズに戻ってここからが本題。
望遠端F4.5でのボヤけ感に不良品を疑った!
いきなり「不良品」呼ばわりとは穏やかじゃ無い始まりですが、まずはコレを見てください。Av F4.5 SS0.8秒 ISO100(望遠端15mm)
全体的にソフトフォーカスがかかったかのようなモヤモヤっぷり!
絞り開放(F値が低い)だからボケてるってレベルじゃない!
Q7を買って初めて接写を試したとき「う、なんだか薄ぼんやりしてるなぁ…」と静かなショックを感じたのが、今回の検証をしてみる大きな動機にもなったのでした。
気を取り直して、F値を最大限上げて(F8.0)撮影してみると。
Av F8.0 SS2.5秒 ISO100(望遠端15mm)
おお、クッキリパッキリ!
そうそう、これですよ!こういう画が欲しかったんですよ!
犯人はF値だな、ってことで、すべてのF値で撮影した等倍(切り抜き)写真を並べてみます。
望遠端(15mm)、Avモード ISO100でF値を変えて撮影。
F値が低いときはモヤっとしていて、F値を上げていくとF5.6あたりから素直な写真になっていくのがわかります。
F7.1がベスト。最低でもF5.6までは絞りたいですね。
どうも02レンズは、
- 最短に近い近接撮影
- 望遠端(15mm)
- F値が低い(F4.5~F5.0)
の条件でソフトフォーカス度が上がってしまう”くせ者”レンズのようです。
出先で遠景を撮ったときはF値が低くてもそう気にならなかったので、近いモノを撮ったときにだけ起こる現象っぽいですね。
ただ、F6.3以上だとパキッとした画が得られるし、マクロ撮影時はボケ軽減の観点からF値を上げて撮ることが多いので、常に三脚等に固定した状態で撮るならば問題は無いと言えます。
広角端では、どのF値でも問題無し!
続いて広角端(5mm)でも検証してみました。(35mm換算で23mm相当)
Av F2.8 SS1/3秒 ISO100(広角端5mm)
広角端だとF値の下限まで設定できるので、F2.8で撮影。
望遠のときに感じたモヤモヤ感はほぼ感じられませんね。ボケもF値が低いゆえの素直なボケだと思います。
Av F8.0 SS3.0秒 ISO100(広角端15mm)
続いてF8.0で撮影。こちらは順当にパキッとした仕上がりに。
あまり変化は感じられませんでしたが、広角端で同じ被写体だと小さすぎて比較もわかりにくいので、改めて全F値の等倍(切り抜き)写真を並べてみます。
広角端(5mm)、Avモード ISO100でF値を変えて撮影。
F2.8からすでにクッキリ!F3.2で謎の落ち込みが見られたものの、F5.0まではほぼ同じ感じで、F5.6以降やんわりとボケていく(いわゆる小絞りボケ)デジカメとしては素直な傾向になっています。
この通り、モヤモヤ現象は広角側ではほぼ問題ナシ!
望遠端に近づくにつれモヤモヤが目立ってくるという、なかなかに不思議なレンズです。
結論:レンズ特性を知れば02でマクロもいける
望遠側に限り、マクロ撮影を楽しむ場合、絞る必要がある。これが02 STANDARD ZOOMレンズの特性です。
望遠側は、具体的には10mmを超えると低F値でのモヤモヤが目立ち始めます(8mmあたりまでは大丈夫)。
広角側ではそう意識しなくて良いですが、小物を大写しする場合、必然的に望遠端を多用することが多いので、常に2段くらい絞るようにしなきゃですね。
鉄道模型ばかりも何なので、最後に別の被写体でマクロ撮影サンプルを。
任天堂のスプラトゥーンamiibo(アミーボ)。全高6~7cmのフィギュアです。
Q7を買って間もない頃に02レンズで撮った写真がコチラ。
ISO800で手持ち撮影というカジュアルすぎる撮り方ですが、所持している他のデジカメに比べて輪郭のモヤっとしてる感が気になってしょうがなかった一枚です。
一ヶ月後、
02レンズの特性を理解して撮った写真がコチラ。
随分見栄えが良くなったと思いますがいかがでしょう。
背景やらライティングやら色々状況は変えてますが、同じカメラ、同じレンズで撮っても、設定次第でかなり印象が変わってくるのが写真撮影の面白いところだな~、と改めて感じました。
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