神戸愛がまるで無かった「べっぴんさん」は、純と愛・まれすら超える稀代の朝ドラ


べっぴんさんは伝説の朝ドラとなったのだ。

今日2017年3月31日、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」最終回が放送されました。

全話完走された方ならほぼ似た感想を抱かれると思います。ドラマとしてこれほど残念な作品にはなかなか出会えないだろうと。

序盤一ヶ月を見て、総集編のような駆け足っぷりや、(元 神戸在住者から見て)神戸の雰囲気をまるで感じない点にイヤな予感を抱いていましたが、中盤以降は予想を遙かに超えるフワフワした物語になるとは思いもよりませんでした。

薄すぎた神戸感

べっぴんさんの舞台は神戸市。

主要人物はほぼ神戸市出身のはずなのに、ほとんど誰も神戸弁をしゃべらない違和感は以前書いた通り。

明美さんとモブ俳優さん以外に神戸弁をしゃべる人は最後まで現れなかったのが非常に残念です。

方言指導は神戸をあまり知らない大阪出身の方だったのかしら。

そもそも関西弁すら怪しい方も・・・ってのは関西以外の俳優さんならキビシイでしょうからある程度は仕方ないですね。逆に関東の方なのに、よくここまで関西イントネーションをマスターされたなぁ、という方もいらっしゃったのは感心。

神戸ポートアイランド博覧会

大阪万博EXPO’70推しの週がありましたが、神戸博ポートピア’81に一切触れられなかったのも不自然であり残念。

1981年はドラマだとほぼ終盤(最終週が1985年頃)なので、盛り込みづらかったのかもしれませんが、神戸市であれだけ盛り上がった博覧会なのだから、ゴダイゴのテーマをタケちゃんに歌わせても良かったじゃない。

そりゃ他の地域の方から見れば大阪万博のほうがメジャーですが、神戸まつりも入れてなんてゼイタクは言いませんから。

あの時代にあのランドマークは無い

ドラマ中、神戸の街を見下ろす謎の丘のシーンが良く描かれていました。

あの草原は一体どこなんだろう? 六甲山か摩耶山? 塾に行く子供がフラっと寄り道するにはハリキリすぎでは?

なんて疑問もずっと感じていましたが、そんなことよりも1985年当時に神戸メリケンパークオリエンタルホテルが見えるはずが無んですよ。

赤いポートタワーの隣にあるひときわ目立つ白い半円状の建物。あのホテルが建てられたのは震災の後。

※35階建てのホテルオークラ神戸もまだ無かったはず。

あの映像自体CG合成っぽいので、誰かが気がつけば修正できたと思います。

NHKのスタッフにはわりと優秀なイメージを抱いていただけに残念。

脚本家がヤリ玉に挙げられるのをネット等で良く目にした今作ですが、寂しすぎた(&現代っぽすぎた)大阪万博のロケ地選定といい、不評なドラマだから手を抜いても良いんじゃない? というスタッフの意識が見え隠れしたのも非常に残念でした。

一本芯の通った希薄な社会観念

神戸に長く住んでいたこともあって、神戸関連はキビシイ見方になってしまいましたが、他の地域の方から見たら些細な点ではありますね。

このドラマの問題点は。

会社(キアリス)自体の成長プロセスが見えなかったこと、反抗期をこじらせた娘の家出エピソードに尺を取りすぎたことなど、視聴者に見せるべきエピソード選びが間違っていたこと等が挙げられます。

が、個人的に感じた大きな問題点は、一貫した社会観念の薄さ。

重大な決断をみんなの前で突然発表

中でも最たるものは、

重大な決断を、事前に誰にも相談せず、みんなの前で突然発表する。

  • ある会社を辞めて新しい会社に入る時
  • 新しいビジネスを始める時
  • 社長の座を譲る時
  • 結婚を決める時

etc…

反対される可能性だって大いにあるだろうに、「もう決めたから!」で押し通せちゃう。周りもそれを拍手で喝采する。どのキャラクターも共通、最後まで一貫していて、逆にすがすがしさすら覚えました。

もちろん、サプライズ的な演出として上手くハマるパターンもあるとは思いますが、視聴者に「この人、一般常識が欠けてるだろ?」とたびたび感じさせてしまうようでは、話に入り込むことが出来ません。

生かすも殺すも脚本家次第

また、社会観念の薄さはヒロインの娘(板東さくら)関連で特に目立ったのですが、

  • 妊娠した親友の彼氏を、スキあらば略奪しようとしていた
  • 幼なじみと共謀して(身内コネパワーを使って)不正入社した
  • 姑が考案したリスのキャラを(ほぼそのまま)自分が作ったキャラに仕立てた

学生時代は未熟だから…で済まされた部分も、大人になってさらにパワーアップ。

それを咎める人が周りにほとんど居なかったのも、ドラマ全体にはびこる社会観念の薄さを強めてしまっていたように感じました。

ネットでも彼女への辛辣な声を数多く見かけましたが、役者を生かすも殺すも脚本家次第だな…と改めて感じました。画面に登場する時間が長かっただけに尚のこと。

ただツマラナイ作品だったで済めば良いですが、若い役者の将来すら左右しかねない。本当に恐ろしいドラマです。

そして伝説に

ここ十数年の歴代朝ドラで、ワースト作品は「純と愛」「まれ」が双璧だと思っていましたが、私の中で「べっぴんさん」はそこを軽く超えてしまいました。

最終週に至るまで、父母の霊が降りてきて、なぜだか姉も交えて、お茶でも出しかねない家族だんらんシーンは伝説として語り継がれそうな勢い。(そんな突き抜けっぷりはキライじゃないですけどね)

脚本のマズさもさることながら、もうどうしようもないと悟った(?)NHKスタッフの仕事にもアラが感じられてしまうようでは、褒めるべき部分が本当に見つかりません。

とにもかくにも、べっぴんさんに出演された若い俳優さんたちが、今後も活躍できることをお祈りすると同時に、次回作「ひよっこ」に期待!

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コメント

  1. 京太郎 より:

    「なんか なんかねぇぇぇ~」

    でしたね、最初から最後まで。

    もぉぉぉもぉぉぉぉ。
    長い朝ドラ視聴生活の中で これほど 見たあとに なんだか怒りにも似た(笑)もやもや感が残るものはありませんでしたわ。
    なんだかんだ言うてもどうしても見てしまう朝ドラ。
    …といえど、最後の一週間、見ませんでした。

    最終回だけでも見てやろうかな(←上から目線(笑))と思って
    お昼の時間につけたら 甲子園で 早めに放送しちゃってたのね。
    あら見逃したわ…と思ったけど、特に残念ともなんとも思わなかったですよ。
    夜のBSを見ようとも……

    書き連ねたらいっぱいになってしまうので割愛しますが。

    なんか 大阪制作とは思えなかったですよね。
    演出も脚本も 大道具小道具も。
        セットなんて ちゃっちいまんまだったし。
        衣装も そんなんないでってな感じだったし。
    なんか ちりとてのときのスタッフさんとか
    みんな東京に行っちゃったんではないかと…
        明日からの「ひよっこ」の予告映像みたら
        そんな感じがしました…

    ファミリアブランド、これで ケチがつかなければいいけど……

    朝ドラが帰ってきまつように。。。
    明日からドキドキです。

    • ひらら より:

      ▼京太郎さん
      一言でまとめると、
      まさに「なんか、、、なんかなぁ」なドラマでしたね(笑)

      >なんか 大阪制作とは思えなかったですよね。
      >演出も脚本も 大道具小道具も。

      そうなんですよね。
      脚本が今一つでも、周りの頑張りが見えてくれば
      こちらも頑張って「あそこは良かったね」なポイントを掘り出せたのに
      スタッフの諦めが伝わるような雰囲気だったのはいただけません。

  2. あまとき より:

    NHKの朝ドラは浮き沈みが激しいからなぁ

    この法則に則れば次回作は反動で面白くなる…ハズ

    • ひらら より:

      ▼あまときさん
      今のところまさに反動が来てる感じで面白いです。
      このまま最後まで楽しめることを祈るばかり。

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