Nゲージの117系は5月にKATO製を買っていたものの、TOMIXに対する迷いも残っていました。
ネット予約が各所で完売し始めているのを見て焦り、発売の数日前まで悩み抜いた結果「もうどうにでもな~れ~!」とばかりに駆け込み予約で飛び込んでみましたよ。(まさに勢い!)
2社の競作新作を両方とも買ってしまうというブルジョワ行為は生まれて初めて。
このコロナ禍の中ゆえ、けして羽振りが良いわけもなく、ただただ117系愛ゆえ!
歴代「新快速」で一番好きなのが117系なので、両社の出来を手元で確かめてみたかったんです。
と、いうわけで前置きはこの辺にして TOMIX 117系レビュー!
・・・ではなく、せっかくKATO・TOMIX両方そろってしまったなら、気になってる方もいらっしゃると思うので両社を比べないわけにはいきませんね!
では、2社の117系比較、いってみましょう!
顔と「新快速」マーク比較
117系の「顔」といっても過言ではない(と個人的に思っている)のが、顔ド真ん中の新快速ヘッドマーク。
正確には種別表示幕というべきなんでしょうけれども、ここは敢えて「ヘッドマーク」と呼ばせてください。
まだTOMIXは別パーツを付けていない素の状態ですがお許しを。
同じ117系なのに、こうして並べてみると結構違いが感じられるのが面白いですね。
やはりKATOはヘッドライトがやや大きく見えるか…、でも2本線ワイパーのディティールは素晴らしい。
で、肝心の「新快速」マークに注目してみると、これライトオフの様子ですが、TOMIXはハッキリと「新快速」とそのデザインが認識できます。
一方、KATOは非点灯だとかなり暗いんです。買ってすぐ一番に「ん?」と感じたのがここ。
ちょっと角度を変えて外光が当たるようにすれば、KATO側もなんとか認識できるものの、TOMIXと比べると暗いです。
点灯してみましょう。
点灯すれば両社とも問題なく、ハッキリクッキリ「新快速」が認識できます。
並べてみるとKATOのほうはデザインが上にズレているのが気になりますが、個体差でしょうか…。
ヘッドマーク周辺を拡大してみます。
印刷精度を比べると、TOMIXはシャープで、KATOはややボヤケた感じに見えます。
ここまで拡大すると分かりますが肉眼ではさほど気になりません。
さらに注目したいのはマークまわりの銀縁。
KATOは銀縁の太さが少し気になっていましたが、TOMIXは細め仕上げなのにビス表現もあって「おおっ」と感心させられました。
非点灯時でもよく見える「新快速」も含めて、ヘッドマークまわりはTOMIXがとても好印象です。
通電せずにディスプレイしたい人なら間違いなくTOMIXでしょう。
117系特有の顔つきの「ふてぶてしさ(←ホメ言葉)」は、若干デフォルメの効いたKATOのほうが「らしさ」が表現されていると感じます。
サイド(先頭車を中心に)
続いて側面のディティール、先頭車を中心に比較してみます。
(赤矢印)信号炎管、スノープロウ等、KATOは最初から付いてます。
(青矢印)車番、所属表記等、KATOは最初から印刷されています。
これらはTOMIXでは別パーツ・インレタが付属されています。
でも、面倒だったり億劫だったり、もし売却するとき査定下がるかもなーという意識もあったりで、気が付けば放置されてる方も少なくないことでしょう(私も含めて)。
その作業量と作業の細かさを考えれば、最初から付いてあるKATOは本当にラクです。
一方、TOMIXには(黄矢印)ATS車上子、乗務員扉下のステップ、車端部の配管(別パーツ)といった、KATOでは省略されたものが表現されています。
全てのパーツを取り付ければ床下のディティールはTOMIXが優位。
そんなTOMIXですが、
片側のステップは乗務員扉からズレた位置に付いているという、なかなかユニークなエラーがあります。(反対側は大丈夫)
ネットでも事前に話題になっていましたが、修正されることなく販売。
素直に扉の下に付ければ台車がまわらなくなるし、なかったら寂しい(?)からなのか付いたままですが、気になる人はチョキンと切ってしまえば良いかもですね。
ただ、この辺り、スノープロウを付けたあと肉眼で遠目に見るとゴチャゴチャして、そんなに目立たないので「ご愛敬」ってことで私はこのままいきます。
次回作(100番代? 300番代? WE銀河?)ではどう処理されるかちょっと楽しみです。
先ほどの先頭車サイドの写真を少しクローズアップ。
KATOレビューで、側面の茶色ラインがヘッドライトへ向かうにつれてだんだん太くなるお話をしました。
傾斜はゆるいもののTOMIXでもちゃんと確認できますね。
模型的な「映え」を狙ったKATO、極力正確さを求めたTOMIXといったところでしょうか。
ただ、写真を拡大するとTOMIXは塗装の怪しさがちょっと気になります。
境界が一部モヤっとしていたり、塗装はKATOに軍配をあげたいところ。
で、TOMIX側の塗装が手すりのところで切れているのも気になりましたが、改めて実車を確認すると……切れてるんですよ。
手すりはクリーム一色!
なのでTOMIXは塗装に若干の怪しさは残るものの、手すりのクリームを残したのは正解。
全部しっかり塗ってしまったKATOはエラーと言えるかもしれません。(個人的には許容範囲です)
TOMIXのドアノブの塗り残しは好意的にとらえれば「銀色に塗れない代わりにクリームでガマンしてね」…って感じでしょうか。あくまでも好意的に解釈すれば…。
さらに1つ驚いた点。
写真の中に赤いL字型の線で記しましたが、117系の手すりってボディの裾絞りカーブに沿うこと無く下のほうまで「まっすぐ!」なんですね。私も今回初めて気が付きました。
で、TOMIXの手すりを拡大してみると、実車に近い感じになってるんですよ。非常に細かい部分なのに敢えて出っ張ってる!
これ気付いた時はちょっと鳥肌立ちました。
一方で、KATOはクツずりを銀色に塗ってある!(TOMIXはクリームのまま)
うーん、2社それぞれの良いところだけを混ぜ合わせたい!
サイドの特徴的なディティールをもう少し攻めてみましょう。
ドアです。
TOMIXは上の取っ手に銀差しが。(一方、KATOは省略)
KATOはクツずりに銀差しが。(一方、TOMIXは省略)
なぜこうも双方片手落ちなのか…。やっぱり2社の良いとこ取りした製品が欲しい!
KATOは、手動ドア(?)表記の銀色のステッカーが貼られているのが特徴的。初期の117系としてはKATOが嬉しい。
クハ116の側面の方向幕&トイレ窓。
TOMIXは間隔が広く、KATOは狭い。
両社でこんなに違うものかと驚いたポイントの1つです。
実車に近いのはTOMIX。(手元にピンポイントな実車の写真が無かったので、ネット検索や有名サイドビューサイト等で確認していただけましたらば…)
KATOは各窓のサイズを大きめに彫ってあるから、間隔が狭くなっちゃったんでしょうね。
おかげでKATOの方向幕シールをTOMIXに流用しようとすると、若干大きいのが難点。
TOMIXは下側の窓がはじめから白く塗られてあるのも嬉しいポイント。同じTOMIXでも塗られてない車両多いですしね。
中間車の方向幕は、トイレ窓が無い状態をイメージしてもらえれば。(他の記事コメントでご指摘ありましたが、実車の方向幕も雨樋ギリギリにくっついてる感じす)
ここで雨樋に注目してみましょう。
雨樋の茶色塗装。
TOMIXは薄め。KATOはしっかり塗られています。
どちらが実車に近いでしょうか。
これは手元に写真がありました。
実車はしっかり塗られています。
屋根グレーと雨樋ブラウンの間にクリーム色は見えません。
KATOのほうがより実車に近いイメージです。TOMIXは…細い!
Nゲージを見るときって、側面をナナメ上から見下ろすことが非常に多いです。
なので、普段よく見るアングルでの印象を優先するならば、KATOの雨樋に軍配。
ただ、これにはカラクリというか、触ってみるとTOMIXのほうが雨樋の凸モールドをしっかり作ってあるんですね。一方、KATOは面一に近い。
塗装能力の差異だけの問題でなく、造形を生真面目に作ってあるがゆえTOMIXの雨樋には塗装が回りにくいのはなんとも皮肉な話…!
ちなみに屋根色はTOMIXが濃いグレー、KATOが淡いグレー。
個人的には淡い屋根が好みなので、見下ろしアングルならKATOが好みです。
おさらい
まだ比較点は挙げられそうですが、けっこう長くなってしまったので一旦ここで切り上げます。(続くかどうかは未知数…!)
ここまでをザッとおさらいすると…
ヘッドマークの見栄え優先ならTOMIX
後付けパーツが面倒ならKATO
トイレ窓にこだわるならTOMIX
サイド見下ろしアングルならKATO
各部細かい部分を意識しだすと本当に一長一短ですね…。
→比較記事その2へつづく!
https://blog.hirara.net/tomix117-vs-kato117-detail/
コメント
KATOもTOMIXも細部まで違いが結構ありますね。どちらを買おうか迷います。価格ならKATOで仕上がりならTOMIXですね。
それぞれメーカーが拘る部分、逆に省略している部分、違いがありますね!!
>なぜこうも双方片手落ちなのか…。やっぱり2社の良いとこ取りした製品が欲しい!
KATOMIXブランド?!最強!!ですね!?