鉄コレの阪急電車で、すごく出来が良い!と前々から感じているのがクーラーの造形。
屋根の上にのってる四角い豆腐みたいなパーツがそれです。
が、何か物足りない。
実車を見ると
クーラー側面の溝(ルーバー)って黒っぽいんです。
※写真は能勢電鉄5100系ですが、ほぼ阪急ってことで!
この明と暗のコントラストってけっこう印象に残るし、個人的に阪急電車を横から見たときの最大の特徴だとも思っています。(新型クーラー搭載車は除きます)
でも、鉄コレ・KATO・GM等々Nゲージの阪急電車は真っ白のまま。
どのメーカーも実現できていないってことは、大量生産の工程でココに着色するのってかなり大変なんでしょうね。(もしくは、汚し表現御法度的な慣例?)
メーカーが塗らないなら自分で塗るしか無い!
対象はただいま整備中の鉄コレ阪急5100系のクーラー。
屋根に付いたままだと作業がやりづらいので、いったん全部取り外します。
※クーラーは屋根ウラから2つの出っ張りをツメでグイグイ押してやるとカンタンに取れます。
ちなみに、鉄コレ阪急5100系(原形)と鉄コレ能勢電鉄5100系を組み合わせて編成を仕立てる予定ですが、それぞれでクーラーパーツの色が異なっていたので、Mr.カラー35番「明灰白色(三菱系)」で塗装しました。
が、塗ってみるとイメージより若干暗めで青みがかった灰色。ベストでは無いけど、元々のダークグレー(能勢電側クーラー)よりは全然マシなのでこのまま採用することにしました。
用意するもの
今回使った道具はコチラ。
- タミヤカラー エナメル塗料《溶剤》 X-20(うすめ液)
- タミヤカラー エナメル塗料 XF-63 ジャーマングレイ
- 細めの丸筆
- 小皿
あとは、つまようじ、スポイト、ティッシュもあると便利。下に新聞紙を敷いて作業を進めると作業スペースが汚れずに済みます。
クーラーの暗部はよーく見ると完全な「黒」ではなく濃いグレー。実際に塗ってみるとこのXF-63ジャーマングレイが一番しっくり合いました。この色はベスト。
タミヤカラーのエナメル塗料を使う理由は、失敗しても比較的リカバリーしやすいから。
作業自体はチマチマしてて正直とても面倒くさいんですが、うっかり塗装をハミ出しても消しゴムのように消せるので、ボディ全体のスプレー塗装に挑んだときの失敗に比べればハードルは低めです。
XF-63をつまようじ(の太い方)ですくいだして小皿にのせる。
(ビンの中で塗料が上澄み液と分離していたら、つまようじ等で混ぜてから)
うすめ液(X-20)をスポイトで吸って、小皿にのせる。
それらを筆でグリグリ混ぜます。分量はわりとカンに頼ってやっているので正確なところは言えないのですが、大体1:1くらいでしょうか。
ネットリしてたらうまく塗れないので、両者を混ぜて多少水っぽくサラサラになるくらい。それでいて、塗った時に色が薄すぎない程度に。
※小皿は横着して他のウェザリング作業で黒灰系の色が残ったままのものを使っているので、絵が汚めでスミマセン。この黒みが混じってるかも? と後で新品皿を使って塗りましたが、同じ色だったのでジャーマングレイ単品で大丈夫です。
スミ入れ実践(側面ルーバー)
それでは先ほどの小皿から色をのせていきます。細かい作業なので集中力必須。
筆を置いたときに塗料がツーっと溝を伝わっていく毛細管現象っぽくなるとわりとラクかも。
どんなに慎重に作業していてもハミ出してしまうことはあります。
真ん中の部分もですが、下部も大胆にハミ出してしまっています。
でもリカバリーは可能。
うすめ液(X-20)をごく少量、厚めに折ったティッシュの角に染み込ませます。これがエナメル塗料の消しゴム。
このティッシュでハミ出した箇所を拭いてやると消えてくれます。
消したくない箇所がティッシュで吸われてしまうのを防ぐため、消しゴム作業は乾燥してからやるようにしています。
このうすめ液はエナメル塗料だけに効果があるので、下地をMr.カラーやGMカラー等で塗っていてもそこは消えないのが安心。
すでに屋根に乗っけた写真ですが、この通り真ん中のハミ出し、下部のハミ出しも消えてくれました。
スミ入れ実践(天板メッシュ)
続いて天板の丸いメッシュ部もスミ入れ。塗るというより、チョンチョンと置いてくる感じで筆を動かしています。
塗り終了。
でもちょっと黒々としすぎるかな?
と感じたので、乾燥させた後、
再びエナメル塗料のうすめ液をティッシュに染み込ませて、
拭き取ります。
凹んでる箇所だけ塗料を残してくれるので、メッシュ感も強調されたんじゃないかと思います。
まだ端のほうに消し残しがあるので、後で消す必要がありますね。汚しだ!と言い張っても良いんですけれども。
でも天面なら組み立てた後でも作業はできるので、濃淡や消し残しは後から調整しても大丈夫。
完成
そんなこんなでクーラーの色差し完了!
さすがに8両分32個の作業は骨が折れました。
車体に取り付けてみた様子。
本当に面倒くさい作業なんですけど、これをやるだけで実車感アップ、オトコ前度も3割増し!
いや、5100系は男なのか? 6300系は女性的(クイーン)なイメージだけれども。
それはさておき、パッと見た瞬間に「(記憶にある阪急電車は)そうそう、こんな感じだよ」ってのが伝わりやすい箇所だけに、労力に見合った価値は十分あります。
今回はどちらかといえば少数派な5000系列のクーラーを取り上げましたが、より一般的な多数派クーラーもほぼ同様のやり方で色差しできます。
※下側にハミ出すと拭き取りがちょっとだけ面倒ですけども。
阪急の鉄コレは屋根が余ることが多いので、この手の作業が初めての方も、まずは余った屋根で練習してみて自分にできそうかどうか試してみると良いかもしれません。
コメント
ひららさん、ナイスな仕上がりですね。タミヤのジャーマングレイは確かに色合いが良く
艶消しなので、車の内装(内張等)の塗装に使うのもピッタリなんですよね。
8両分32個の塗装作業は大変だったでしょうね、でも完成後の満足度は素晴らしかった
だろうと思います。お疲れ様でした。
▼Tc:22615さん
ありがとうございます。32個のクーラーでやりきった感満載です(笑)
なるほど車の内装なんかにも使えるんですね。
実際塗ってみてジャーマングレイは汎用的にあちこち使えそうだと感じたので、
これからもちょくちょくお世話になりそうです。
逆に手が汚れてしまうので、僕は、汚れない派です。