マイクロエースの阪急電鉄2300系 嵐山線2309編成4両セット(品番A-8489)
何度かの延期を経て2月10日前後に発売されました。
2300系は鉄コレで持ってるし良いかな…と思いつつも、前作2300系(表示幕車)の高評価を見てマイクロエースが作る古い阪急電車を見たい気持ちが急上昇。そんな好奇心(むしろ物欲?)に負けてコッソリ予約していたのです。
7両セットの価格はヘビーだけど4両ならまぁ…ってことで!
結論から言えばなかなか良い出来栄え! 鉄コレ2300系との比較や他社製品との色つや比較等も交えてザッとレビューしていきましょう。
パッケージ・付属品
パッケージはいつものマイクロエース。
左のイラストは背表紙シール。少し馬ヅラ感ありますが…製品が良ければ良し!
開封。
4両セットはスペースがもったいないので、いずれ12両用ウレタンでも買ってきて鉄コレ阪急電車と同居してもらいましょう。
下部 1/3を占める写真スリーブを外すと
何やらパーツが入ってます。
左がそのパーツ。
連結器に使うパーツでしょうか? 使うアテも無さそうなので ソッと閉まっておきました。
右が付属シール。
方向幕車と共用なので、大量の幕がおまけに付いて得した気分です。
外観
フロントビュー
お顔拝見。
古い阪急電車の顔でまず目が行くのが車番ですが、位置もフォントもサイズ感もパーフェクト!
カスレもなくビシッと決まってて気持ちが良いですね。
連結器まわりのパーツ(胴受け)が2360と2309とで作り分けられているのもお見事。
欲を言えば標識灯が少しだけ上寄りな気がしましたが、概ね良好だと思います。
鉄コレではもれなく省略される電らん箱(2360の左下の箱)が装備されているのが素晴らしい。
ホース類も再現されていて良いですね。表現がオーバー目なのはポロポロ外れないようにだと思うので、個人的には問題ナシです。
この電らん箱&ホース、鉄コレに使いたいのでAssyパーツ的に売って欲しいなぁ。
※写真は強い光を当てた&ノイズ処理上の問題でザラっとした感じが目立ちますが、肉眼では気にならないレベルです。
ライト点灯
ライト点灯の様子をGIFアニメで。
ヘッドライトがまぶしいですが、肉眼で見るとまぁ許せる範囲でしょうか。やや黄色みがかっているので調整したいところ。
標識灯は点灯しませんが、各駅停車仕様なのでOK。
赤いテールライト点灯状態が非常にナイスです。
リアリティのある行き先看板の貼り方は過去記事 鉄道模型の標識板・ヘッドマークシールの立体感が出る貼り方 で紹介しています。
ほとんど出番は無いですが、ライトON・OFFスイッチも一応付いています。(シャーシ共用の中間車も穴だけ開いています)
妻面
顔(元顔)の妻面。
そのままひっくり返した妻面。
全車、ホロ標準装備なのが素晴らしい。パンタ車の配管が存在感あり、ドア脇の箱が良いアクセントになっています。
妻面は鉄コレとの比較(後述)でもう少し大きな写真をアップしています。
サイドビュー
側面から。
写真はいずれもクリックで拡大します。
東側
嵐山線走行時の東面。ケース収納時に上に来る面です。
窓枠、ドア部の銀差しも極めて良好。
西側
ケース収納時、下向きの面を。
ゴテゴテした台車枠も非常にシャープに決まっています。床下各所のモールドも細かい。
ディティール表現
大手メーカーでは省略されがちな細かい点も再現してくれるのがマイクロエース製品の嬉しいところ。
ドアコック位置を示す三角印(右)も印刷済み。
また、車体裾に横長の板が少しだけ顔を出してるようなパーツ(水切り?)まで再現!
鉄コレ2300系と比較
発売日に買った鉄コレ2300系。嵐山線4連でまとめようか、中間化改造車を他形式に編入しようか悩んでるうちに、マイクロエースの2300系が発売されてしまいました(もう何年…)。
せっかく素のままの鉄コレ2300系が手元にあるので、マイクロ2300系と比べてみましょう。
前面
お顔の比較。
スッピンなので印象は異なりますが、こうして並べると鉄コレも良く出来ています。
標識灯の位置は鉄コレのほうが実車に近く、ドアノブの銀差し、ワイパーのモールドも車体側にもあり。ワイパーモールドは若干オーバー気味でもあるので、窓印刷のみで割り切ったマイクロも悪くありません。
細かい点ですが、貫通扉の窓上の段差(マルーン部の横直線)を見比べると、マイクロのほうが実車通り。鉄コレは下に出過ぎています。
マイクロの電らん箱(2360のみ)&ホース類の再現はやはり嬉しいです。
妻面
妻面は普段隠れるので、個人的には多少違っていてもさほど気になりませんが、比べてみるとそれぞれ個性があるのが面白いです。
切妻面。
配管は鉄コレはあっさり目、マイクロ側は太く存在感あり。マイクロ側にはホロが標準装備、ドア左下の箱が設置。
先頭車からの改造側。
マイクロはホロ&箱付き。鉄コレは扉のフチが銀色に塗られています(マイクロはホロを外してもマルーンのまま)。
鉄コレは向かって右側にステップのモールドがあるのが気になりました。
ステップはマイクロにはありません。実車の写真をネットでザッと振り返ったところ、ツルっとしているので無いのが正解だと思います(車両によっては、もしくは古い時代にはステップが残っていたのかもしれません)。
また、マイクロはいずれの妻面も下端がやや不自然に切り欠けられています。おそらくカプラーの首振りを逃がすためなんでしょう。
屋根上
屋根上も細部の違いが目立ちます。
パンタグラフまわり(顔側)
マイクロは別パーツ化され立体感のあるランボード(側面側の細長い板)がひときわ目を引きます。
パンタ土台やパンタ下部のケーブル類も色分けされ、さすが高価なNゲージ製品の貫禄を見せつけてくれますね。
パンタグラフまわり(妻面側)
マイクロ側は各パーツのモールド表現もぬかりなく、小さな箱状の機器類からしっかりしたケーブルが生えているのもよく分かります。
クーラー比較。
両者とも別パーツ化・(屋根板と)色分けされていて好印象。
マイクロは上部メッシュパーツが入ってるのが個人的に嬉しいポイント。
ただ、クーラー側面の左右グリル部に関しては、間隔の広い鉄コレのほうが実車に近いです。ここはスミ入れしたくなりますね。
座席
座席は普段隠れるので、適度なロングシート表現と色がほどほどに実車に近ければ個人的にはOK。よく見ると鉄コレには背もたれは無かったんですね。
質感・色つや比較
色をネットの写真で正確にお伝えするのは難しいので、強い光を当てて浮かび上がる色つやで質感を比較してみます。
KATO製品と比較
KATOの6300系と9300系と比較
光沢がウリのKATO2製品と比べると、2300系のつや感は控え目。
キメの細かさではKATO9300系が一番です。
マイクロエース製品と比較
ボッテリ厚塗り塗装だった9000系と比べてスッキリ薄化粧な2300系。
色は9000系のほうが暗め。
2300系のマルーン色は他のどれよりもほんの少し淡い仕上がりです。
晩年の2309編成は色もあせてツヤ感も落ち気味でしたので、良い意味でこの時代を思い出させてくれました。
マイクロ製品はここまで色あせてはいませんが、マット仕上げではなく、素の鉄コレよりも断然ツヤはあり、阪急電車の模型としては素直な仕上がりだと感じています。(ツヤツヤ派には物足りないかもしれません)
おわりに
板車時代の阪急電車は鉄コレではたくさん買ってきましたが、Nゲージ完成品で買うのはこれが初めて。
ディティールも細かいしライトも光るし「さすがNゲージ」と改めてホレボレしてしまい、思わず今後にも期待している自分がいますが……
その前に放置している鉄コレ阪急軍団をなんとかしないと!(ほぼいじらなくて良いマイクロ品はラクだなぁ)
コメント
いつも楽しく記事を読ませて頂いております。
丁寧に模型を観察されていて、非常に参考になります。
ところで、電纜(でんらん)箱が鉄コレに付いていないとの事で、Assyパーツ化して欲しいとの記載がありましたが、ずっと昔の阪急2000系・3000系の鉄コレには後付けのオマケパーツとして車体色と同じモールドで電纜箱が同梱されていました。
2000系を購入して最初に見た時は「何これ???」だったのですが、程なく電纜箱である事に気付いて、こんなところにまでパーツのサービスがあるなんて!と感動した記憶があります。
阪急顔の前面裾のカーブに合う様に作られており、車体側のステップに当たる箇所は切り欠きが入れられていて、位置決めもし易くなっているなど心憎いオマケパーツでした。
3000系の後の鉄コレには確か付いていなかったかと思いますが、編成の梅田とは反対側にしか装置されていない事(原型・昇圧後・冷改車なども欲しくて大人買いもしちゃいました。)から余剰パーツが発生したために、後の鉄コレにも回せる位の数は入手出来ました。。
ただ、阪急電車の電纜箱についてはマニアックな人でなければその存在に気付く事もそうは多くないと思いますし、最近の新系列(ワンハンドル車)ではもう見られないディティールですよね。電纜箱のパーツの需要が無いと思われたのか、最近の鉄コレには付いてこなくなったのではと思っています。
なんと、電らん箱、昔の鉄コレ阪急にありましたか!
まだ箱に入った2000系があると思うので探してみます。
金魚鉢の体験コメントも情景が目に浮かぶようで楽しく読ませていただきました。