ついに最終回を迎えた朝の連続テレビ小説「まれ」。
名作だったか、迷作だったか。
半年通して見られた方ならすでに答えは出てると思います。最終回の…というよりも、全体を通しての感想を。その前にまれの人生をザッと振り返ってみましょう。
まれの人生
夢なんて大ッ嫌い!(幼少~18歳)
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堅実さを求め公務員に、輪島市役所に就職(2002年)
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…やっぱりケーキ職人を目指したい
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わずか8ヶ月で輪島市役所に辞表
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横浜の洋菓子店(マシェリシュシュ)に就職希望
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何度も断られる
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何度も食い下がってマシェリ就職
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結婚 (2006年)
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フランス留学の話が舞い込む
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断る(能登で夫の手伝いに専念したいので…)
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わずか5年でマシェリ退職、能登へ (2007年)
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夫の手伝いも落ち着いてきたので
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能登で独立、洋菓子店プチソル開業 (2007年)
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わずか数ヶ月後、妊娠のため休業 (2008年)
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出産
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休業から約10ヶ月後プチソル再オープン
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時は一気に7年流れ
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世界一への夢再燃 (2015年)
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地元のコンクール参加
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選外
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次のコンクールに参加
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子供の相撲大会を優先して失格
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世界コンクール参加
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選外(5位)
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能登で結婚式と祭じゃー(2015年)
改めてまとめてみると、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ!
忘れかけていた方も断片的にいろいろ思い出されたと思います。ちょっと長いので夢にだけ焦点を当てて再びコンパクトにまとめてみます。
まれの夢の流れ
夢否定の子供時代
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夢見る大人にチェンジ(世界一のパティシエになる!)
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夢の実現への第一歩(横浜マシェリ就職)
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大きな夢へのチャンス到来(フランス留学の話)
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断る
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家庭の事情でいったん夢お休み(同店退職)
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独立して夢を再開(プチソル開業)
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家庭の事情(妊娠)でふたたび夢お休み(同店休業)
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夢再開(同店再オープン)。
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7年経って大きな夢を思い出す
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3度コンクールに参加
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ことごとく落選
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今日よりちょっこり美味しいケーキが作れたらいい(最終回の演説)
家族は夢の支障なのか
結婚、出産、子育て…。
これら家庭の事情が訪れる度、主人公まれの夢はいつも中断されてしまいました。
※「結婚」は直後では無いものの、漆職人と一緒になる時点で色々想定できたはず。
普通に人生を歩んできたら誰しもが通る道なのかもしれません。夢を諦めざるを得ない人だって世の中にはたくさんいるでしょう。そういう意味ではリアリティがあるとも言えます。
でも、そういう家族のイベントを乗り越えて夢を掴める人(掴みたい人)だって世の中には大勢いるはず。
ドラマを通じて勇気づけられることもあるし、ドラマだからこそ「夢」を見せて欲しかった。結婚、出産等のイベントが夢のさまたげになるような描かれ方でしか無かったのが昭和的で残念。
とはいえ、まれも結果的には地元で自分のお店を持てたし、現実的な範囲としては成功してると言っても良いのかもしれません。
もっと上にいって欲しかった
しかし、多くの視聴者は(少なくとも私は)もっと上を見たかったんじゃないでしょうか。
なにより「世界一のケーキ職人になりたい!」
という壮大な夢を抱き、イヤな顔をされまくった横浜の一流洋菓子店に、ゴリ押しとも言えるほどムリヤリ就職してしまった、あのアツイ情熱を見せられてしまっては。
なのに、岐路が訪れる度に、夢から遠ざかる選択肢を選んでしまうまれちゃん。
結婚をもう少し待てば…、明るい家族計画はもっと真剣に考えておけば…、と見てる側が後悔の連続でした。いや、もちろん結婚や出産を否定してるわけではないですよ。まだ若いしタイミングはいくらでも調整できたはず。
うん、そもそも圭太でなく大輔と一緒になってれば…ってのは今さらヤボですね。
軸のブレ幅が大きすぎるのが問題
ドラマとしてのゴールは、
- 世界一のパティシエになる
- そこそこのパティシエになる
- 完全に家庭入り、主婦になる
大ざっぱに3つが想定できます。
(他にもありそうですがここでは割愛)
みなさんご存じの通り、2番目で終えました。
極端な話、どれがゴールでも構わないと思うんです。
納得できる経緯さえ描かれていれば、世界一!から完全主婦でも問題ないんです。
アイドルの道を捨てて震災後の岩手に帰った「あまちゃん」、落語の高座にのぼった後家庭入りした「ちりとてちん」等々。
「まれ」はどちらかというと「マッサン」的な物語進行、1つの大きな夢を実現させるタイプのドラマだと思っていたのですが、それはミスリードだったのかもしれません。
マッサンも途中、小説家を目指すだのパン屋になるだの紆余曲折ありましたが、最終的には世に認められるウイスキーを生み出すことに成功しました。ドラマとして軸がブレていないので気持ち良く楽しめました。
まれの「世界一のパティシエになる」は、紆余曲折しかありませんでした。
能登に帰って姑(まさかの新キャラ)が現れたときはもう夢終了とすら思ったし、終盤ようやく世界一に本腰になったかと思えば、子供の相撲大会を優先してコンクールをドタキャンしたのは最悪でした。ブレ幅大きすぎです。
「何かを得たいなら何かを捨てろ」
祖母だったか、大悟シェフだったか失念しましたが、師から受けた言葉。
当然「世界一を得たいなら私情は捨てろ」くらいのニュアンスでしょう。
最終回、結婚式でのまれ自身のスピーチから
明日うまい味噌汁を作って家族で飲みたい。
今日よりちょっこり美味しいケーキが作れたらいいな。そういう小さなことが集まってでっけぇ夢になる。
彼女の思う「夢」はこういうこと。
うまい味噌汁を飲みたいだなんて、夢っていうより小さな幸せじゃないかな。
子供相撲大会でコンクールを欠場した時点で、いや、きっとそれよりもずっと前からもう「パティシエとしての世界一」は捨てていたんだと思います。
今思えば「失敗!おっぱい!世界一!」の連呼も大きなミスリードでした。
結局「夢」はあったのか
夢嫌い→夢を追う!
の始まり方だったし、ラストは夢で締めくくったし、「夢」がドラマの大きなテーマには間違いありません。
挑戦して、挫折して、再挑戦して…成就!
の流れがあると、見てる方は気持ち良く楽しめるはずですが、まれ以外の人の夢にも目を向けてみると、一番身近な父:徹が最悪でした。
出だしから失踪で始まり、会社設立で順調にいっていたのにまさかの倒産。部下に恨まれ復讐されて再び失踪…。とくに後半のドス暗い描かれ方、何のサスペンスドラマかと思いましたよ。
挙げ句の果てには、徹を悪く描いた紙芝居で孫たちを洗脳する文さん。なんのブラックジョークかと目を疑いましたよ。
徹はIT会社成功者のまま、最後まで夢を感じさせてくれる存在で良かったと思います。
大泉洋の朗らかな性格なら毎朝を気持ち良くさせてくれたに違いありません。(終始暗い顔の洋ちゃんなんて見とうはなかった)
おそらくこのドラマで一番大きな夢をゲットできたのは、マシェリシュシュ時代の先輩、陶子さんなんじゃないでしょうか。
おわりに
そんなこんなで非常にツッコミ甲斐のあるドラマで、日々いろいろ考えるのは個人的には面白かったです。
平凡なドラマだと何も書けなくて逆にツマラナイというか…完全に毒されてますね、私。
ただ、心配なのはヒロイン土屋太鳳さんの今後。
朝ドラは駄作率が高いのが定説ですが、駄作に出続けるとヒロインまでダイコン扱いされかねないのも世の定説。(本当にダイコンな方も中にはいらっしゃいましたが…)
まれ以外のドラマで見てきて、土屋太鳳さん、地力のある女優さんだと思っているのですが、まれの評判で各テレビ局から敬遠されたりしないかどうかが心配。
今後良い脚本のドラマと出会って、女優として汚名返上を果たせることを祈ってます。
「失敗!おっぱい!世界一!」
あ、このワードは縁起が悪いか。
コメント
なんだか まれにみる支離滅裂なドラマでしたなぁ。。。あ、その「まれ」???(^_^;
始まったときには、Hit-meのようにならなければいいがと思いましたが、
それ以上のものでした。
とにかく いきあたりばったり感がいなめないのねぇ~
あ、ここでこうしたいから この人出しちゃおうか的に
いろんな人を使っていたし(笑)
絶対に不必要だろうというシーンに いっぱい時間かけていたりして。
「おっぱい失敗~」もなんか、内輪ウケしたから使っちゃおうかで 何回も出してきたような……売れない芸人さんが 何かちょこっと偶然にウケたギャグを その後もずっと連呼しているような感じだったし。
そういゃ、しょこたんは その後、しあわせなんでしょうかね。。。
太鳳さんも 「花アン」のときには うまいなぁと思ったけど。。。
ほんとに 朝ドラひとつでころっと皆さんの評価が変わってしまうからコワイですねぇ。
あ、確か、「下町ロケット」に出るんでしたっけ。
そこで試されますね、きっと。
出てくるメンズがみんな小汚く(失礼)していたのんも 不人気のひとつかも。
あぁ、書き出すとキリがない。
とにかく。
あまちゃんはあと1週間。
そして。
「あさが来た」は また きれいなお着物がいっぱい見られるし、
予告や番宣を見た限りでは おもしろそうだし。
久々に楽しい半年になればいいなぁ~
▼京太郎さん
Hit-meももう記憶からほぼ消えつつあるので、
どちらが上か下か比べられずにいるのが悔しい私ですが、
思わずツッコミたくなるって点では同等レベルでしたね(笑)
「これ不必要じゃない?」とすぐ分かるシーンも多かったですね。
横浜での三角関係や、タカシの不倫未遂、もしかしたら徹の失踪すら無くても良かったかも。
>あ、確か、「下町ロケット」に出るんでしたっけ。
>そこで試されますね、きっと。
池井戸潤シリーズなので大きくハズレることは無いと思いますが、
ドキドキしながら見てみようと思ってます。