その1から少し間が開いてしまいましたが、Nゲージ117系、TOMIXとKATOの比較パート2です。
前回は主に外観の目立つ部分を見ていきましたが、今回は車内・スカート・連結器などより細かい部分を比較。
悪く言えば重箱の隅をつついていきます。
どちらが優れているか劣っているかというよりも、「こういう違いがあるのか」という観点で見ていただけましたら。
また、最後には改めて顔を見比べて気が付いた点を。
ボディ分解
ボディを外します。
車内の赤茶色はTOMIXが薄く、KATOが濃い目。
前面内側。
どことなくサイバーな雰囲気を感じるのは私だけしょうか。
抜け殻のボディ。
マーク部分はTOMIXは完全に抜けます。KATOは銀縁&透明パーツがボディ側にくっついています。
車内へ行く前にザッと屋根を比較。
TOMIXは暗め仕上げ、KATOは明るめ仕上げです。
同じクーラーでも表現がちょこちょこ異なるのが面白いです。特に違いが顕著なのは丸いメッシュ部分の表現。
車内~運転台
運転台まわりを後方から。
TOMIXは運行番号が光る影響か、客席側から運転台側を覗く窓がカットされています。一方、KATOは窓穴が開けられていて向こうが見えます。
TOMIXの運転台前部の柱のような部分は、スタフを入れるエリアですね。
車内~客席
座席の比較です。
TOMIX・KATO別々に見ていきます。
TOMIX
TOMIXのクハ116・クハ117の座席です。
クハ116のトイレの仕切りが再現されているのが特徴的。
KATO
KATOのクハ116・クハ117の座席です。
TOMIXと違ってクハ116のトイレは表現されておらず共通仕様です。
一見残念に感じますが、ここは外からは見えにくい箇所。
もし別パーツ化することでコストが上がるのなら、個人的には共通化でも問題無いと思っています。
目立たない部分は省略、ありだと思います。
ただ、今後300番代(一部ロングシート化)を発売される際は、せめてロングシート化された箇所のクロスシートの背もたれはカットして欲しいですけどね。
連結器・スカート
上から順に
TOMIX:TNカプラー(標準装備・連結可)
KATO:ダミーカプラー(標準装備・連結不可)
KATO:連結用カプラー(同梱・連結可)
カプラーの形状ならKATOのダミーカプラーが一番ですが、見た目も上々でデフォルトで連結可能なTOMIXのTNカプラーはバツグンに嬉しいですね。
KATOの連結用カプラー、スカート周りが寂しくなるのは致し方無いとして、装着するためにボディを外す必要もありやっぱり手間がかかりますね。
そして私の環境だけかもしれませんが、なかなか上手く装着できない(すぐシャーシから外れてしまう)のはやり方が悪いのか、それともハズレを引いてしまったのか気になるところ…。
つづいてスカートを裏から覗いてみましょう(けしてヘンな意味では…)
TOMIXのスカートはTNカプラーを支える強度的な都合なのか、間がつながっています。
KATOは実車どおりしっかり割れています。(写真はダミーカプラーのみですが、連結用スカートも完全に割れています)
TOMIXも前から見てカゲになる部分なので、そう問題では無いですが、気になる方は黒く塗ってしまうのもありですね。
色・塗り
さらに重箱ですが、ボディカラーについて少し。
両者とも色調は原色117系らしく問題はありません。
ただ、並べて比べてみるとクリーム色はTOMIXのほうが若干赤み寄り、KATOが若干青み寄り、とほんの少しですが差は見られます。
さらに、塗り重ねは TOMIXはあっさり薄め仕上げ、KATOは若干の厚塗り傾向。
サイドの号車札受け等のモールドはTOMIXのほうがややシャープな印象です。
ボディ内側で成形色を確認すると、TOMIXは成形色の時点でほぼボディカラーが完成。
それに対してKATOの成形色はグレー寄りの淡い色味なので、塗装回数を重ねる必要があったんでしょう。(ボッテリというほどではなく標準的だと思います)
個人的にはいずれも許容範囲ですが、薄塗り好みな方ならTOMIXのほうが印象が良いかもしれません。
再び顔の印象を
前回の記事でも比較しましたが、あれからちょっと気が付いた点があったので再度触れてみます。
並べて比べるとそれぞれの個性が感じられますが、TOMIXもKATOも一定のレベル以上で、どちらを買っても後悔はない仕上がりだと思います。
個人的には、どちらかと言えばKATO版により新快速らしさがある気がする。
…と感じていたのですが、購入時点ではその理由がハッキリ分かりませんでした。(ライトが大き目という以外にも何かある気がしていました)
ドッシリ感というか安定感があるというか…何日か見続けていて、その理由が1つ分かりました。
こちらは実車ですが、マーク周囲の茶色のフチ取りに注目してみてください。
幕の銀縁と茶色の傾き具合に。
TOMIXは 平行で細め。
KATOは 下から上へ向かって太く。
実車(1988年頃撮影)も 下から上へ向かって太くなっています。
すごく些細なことかもしれませんが、意外と大きな影響を与えている気がします。
もう一度、そこに意識して顔を見比べてみてください。
いかがでしょう?
KATOのほうがよりドッシリした顔つきに見える気がしませんか。
しかし…。
しかしなのです。
実車の117系の写真を改めてネットで漁ってみると、TOMIXのように線の細いフチの車両もあるんですよ!
Wikipedia117系の冒頭の写真がまさにそう。
TOMIXはコチラを再現しているんでしょう。
登場時の1980年代にフチ取りにバリエーションがあったかどうかは不勉強なので分からないのですが…一応、両社とも正しいということで。
おそらく小さい頃から新快速を見ていて、茶色の部分が徐々に太くなる印象を無意識のうちに刷り込まれていたので、KATOの117系に「らしさ」を感じていたんでしょう。
でもTOMIXの117系も悪くないです。(だって今日までちゃんとそこに気付けなかったんですもの)
顔については万人で好みの差が大きく分かれる部分、両者それぞれよく出来ているので後はもう「お好みで!」ですね。
おわりに
これだけ比べておいて言うのも何ですが、両方とも走らせてしまえば問題ナシ!むしろ良い感じ!
あ、そういえばKATO 117系レビューで動力が爆音だったことに触れましたが、TOMIX 117系は静粛とは言えないものの平均的な感じですね。
なので、正確に言えば「見た目に関しては」走らせてしまえば問題ナシ。動力は TOMIXかな…。
私の結論は、前回の記事(その1)でも書きましたが、
両者の良いとこ取りだったら理想的なのに!
KATOにしろTOMIXにしろ、どちらか一方だけ買ってたら「隣の芝生は青い」を永遠に繰り返していたと思うので、買ったこと自体は後悔していませんが(むしろスッキリしてます)、競作で両方とも買ってしまうなんてマネは今回で最初で最後にしたいですね!(主に金銭的な面で)
でもカラバリ(たとえば福知山色)が一方から発売→ とりあえず出たので買う→ 数ヶ月経ってもう一方からも発表(こっちのほうが良さげ)。なんてことになった日にゃあアタマ抱えますけれども!
https://blog.hirara.net/tomix117-vs-kato117-mark/
https://blog.hirara.net/kato-117-get/
コメント
連結用スカートに目をつむればKATOもなかなか良いですなぁ・・・。
私は先住民のマイクロ製100番台に合わせてトミックスにしました。
そしてトミックス製のスカートが分売無しと知って『えっ・・・』となりました。マイクロ製のスカート交換計画が・・・・
あと今年は新快速50周年という訳で113系デカ目非冷房スカ色を出してほしいところ・・・。
まさかのトレインボックスからという線も無きにしもあらずですが・・・